インターネットに関する記事や資料の中で、「bps」という単位を目にしたことはないでしょうか?「bpsの数値が大きければインターネットの通信が速い」という漠然としたイメージはあっても、この単位の詳細については知らない方が多いかもしれません。
そこで今回は、「bps」という単位の詳細や、各社が提示しているbpsの「ベストエフォート」についてご紹介します。
bpsとは

bpsとは、「bits per second」の略であり、1秒あたりに転送されるbit(ビット)数を指します。「bit」は、データの量を表す単位です。つまり、bpsは「秒速○m」といった単位と同じように、データ転送の「速度」を示す単位ということになります。
「1bps」と表記されている場合、1秒間に1bit転送できる速さであることを表します。
実際には1bitは小さな画像ファイルよりもはるかに小さいごくわずかなデータ量です。
通信回線が発達した現在では通信事業者が提示する表記では、「SI接頭辞」と呼ばれる「M(メガ:10の6乗)」や「G(ギガ:10の9乗)」を用いて100Mbpsなど膨大な通信量の表記でデータ転送の速度を表しています。
また、bitと同じくデータ量の単位である「Byte(バイト)」を用いて通信速度を表すこともありますが、その場合は「Bps」もしくは「B/s」と、Bを大文字にします。
通信事業者が使用する通信速度の単位としては、bpsの方が一般的です。
「ベストエフォート」の概念
インターネットの固定回線やモバイルルーター、スマートフォンからガラパゴス携帯電話に至るまで、すべての通信速度はbpsで表現できます。当然、bpsの数値が大きいほどストレスなく利用できる優秀な回線ということになりますが、すべてのユーザーがいつ何時もスペックとして提示されているbpsで回線を利用できるわけではありません。
インターネットの速度は、場所や時間によるトラフィックの影響を受けます。多くの場合、提示されているbpsはあくまでそうした要素の影響を受けない、ベストな状態での回線速度です。このように理論上可能な最速の速度を、通信業界では「ベストエフォート」と呼びます。
bpsが「ベストエフォート型」として提示されている場合、実際の回線速度は混雑状況による影響を受け、必ずしも実現できるわけではないということを示します。
ベストエフォート型に対して、一定の速度が保証されている通信サービスを「ギャランティ型」と呼びます。
「快適に利用できるbps」はどれくらい?

bpsの数値が大きければ大きいほど、ストレスなくインターネットが利用できることになります。通信事業者が提示しているベストエフォートを実現できていれば、ほとんどのユーザーは不自由なくインターネットを利用できるでしょう。しかし、トラフィックの関係から、実際の速度は落ちてしまうのが通常です。
それでは、快適にインターネットを利用するために必要なbpsはどの程度なのでしょうか?
もちろん、利用するユーザーの感じ方や、インターネットで閲覧するコンテンツによっても異なりますが、実際の速度が10Mbps以上出ていればストレスを感じることはないでしょう。こちらは解像度の高いHD動画のストリーミング再生でも、ほとんど止まることがない速度です。もちろん、もう少しライトにインターネットを使うユーザーであれば、ここまでの速度は必要ありません。
おわりに
今回は、「bps」という単位の詳細や、各社が提示しているbpsの「ベストエフォート」についてご紹介しました。「bps」という単位の正体がつかめたのではないかと思います。ベストエフォート型のbpsはあくまでベストな数値ではありますが、同時に通信のスペックを示している指標という事実には違いありません。快適にインターネットを利用したいと考えている方は、通信事業者が提示しているbpsを回線選びの判断材料にするといいでしょう。

au光通信編集部

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